霧の匂い
深まった秋 初冬の朝は遅くて・・・やっと昇った太陽が紅葉を照します
雨が降れば降ったで ちょっとした期待で寝覚めが楽しいこともある
外に出ると モウッと煙る霧に包まれています・・・
そこらじゅうが真っ白で何もかもがぼんやり
足元の草も小石もしっとり濡れて あっ水の匂が・・・
水の底に入るような感覚は長く続かず しばらくのこと
時間と共にやがて霧は動きだし身辺から遠のいて天に昇っていく
薄々と河原の小石が見えだし 家々の屋根が現れて明るくなり
朝日が昇り照らされるころ すっかり高くなった霧は山肌を這って散っていく
田舎の何所が良いって・・・霧の匂 こんなことくらい
街人には絶対味わうことの出来ない 幽玄を見る